今回は2021年7月上旬に 石川県加賀市山代温泉(最寄駅 JR加賀温泉駅) にあります『べにや無何有 (むかゆう)』さんに宿泊いたしましたのでご紹介させていただきます。(アクセス)
ミシュランガイド北陸 2021で『4つ星旅館』4レッドパビリオン(4つ星+)の評価を受けられています。
アクセス
●東京駅から
北陸新幹線 かがやき・はくたか 金沢駅まで 2時間半
金沢駅から 特急 しらさぎ・サンダーバード 加賀温泉駅まで 25分
レンタカー 60分
小松空港から レンタカーで30分
●大阪駅から
特急 サンダーバード 加賀温泉駅まで 2時間15分
●名古屋駅から
特急 しらさぎ 加賀温泉駅まで 2時間半
新幹線 米原駅乗り換え 加賀温泉駅まで 2時間
●加賀温泉駅から
路線バス 山代温泉下車
タクシー 約10分

加賀温泉駅からは、予約しておけば、専用車でお迎えもしてくださいます。

『無何有』 何ものにもとらわれない自由な心
こちらのお宿は、とっても変わったお名前ですよね。
昭和3年の創業時に付けたのが“べにや”という名前だったそうです。
昭和45年にこの場所に移り、約90年の歴史があるお宿です。
“無何有”という名前は、設計をお願いした数々の建築賞を受賞している建築家の竹山聖氏との出会いから生まれたそうです。
私はこちらのお名前がとても気になりました。
荘子の言葉に「虚室生白(きょしつしょうはく)」というのがあります。
空っぽな部屋には、日が射し込んで、自然に明るくなる。
人間も心を空(から)にして何ものにもとらわれずにいれば、おのずと真理、真相がわかってくるという意味だそうです。
何もないところにこそ自由な、とらわれない心がある。
何もないこと、無為であること。「無何有」はそんな荘子のとくに好んだ言葉だそうです。
『無何有の郷』そこでは普段の価値観がひっくり返される。
からっぽだからこそ自由に満たされた時間。
何も無いことに価値を見出す”という思想、日本人独特の美意識を大切にしています。“清らか”であること、 “簡素”であること、“自然との調和”を3本の柱としています。
梅雨時期は、今話題のホカンス(ホテル×バカンス)を楽しむ
海外にいかなくても国内でのホテルで滞在を楽しむ『ホカンス』(ホテルステイ×バカンス)という言葉がこのコロナ禍では話題になっていますね。
今回は、コロナ禍・梅雨時ということもあり、観光というよりも、おこもり旅、温泉ステイができるところを選びました。
自然の山庭を囲むようにして建つ別荘のような宿。
地図で見ている分にはわからなかったのですが、山代温泉の中心地、古総湯からすぐの小高いちょっとした山の上にあります。地図的には中心地に近いのですが、急な坂道ですので、必然的におこもりになります。

その昔、高僧・行基が湧水で傷口を癒すカラスを見つけ、その湧水を調べてみたら温泉であった、という言い伝えが残る山代温泉。開湯1300年を誇る北陸随一のいで湯の街であり、多くの文人文豪に愛されてきました。
そんな歴史ある温泉地に、日本有数の名旅館「べにや無何有」は佇みます。
- クリスタルアワード SPA JAPAN CRYSTAL AWARDS PROFESSIONAL 2012
- AUTHENTIC HOTELS&CRUSES WELCOME AWARD 2015
- BEST SMALL HOTEL SPA WORLDWIDE 2015


- ルレ・エ・シャトー RELAIS & CHATEAUX Welcome Trophy 2013
2009年から世界で最も美しいホテル・レストランのコレクションと謳われるルレ・エ・シャトーのメンバーとなり、2013年 520の施設の中から最も優れたおもてなしに贈られる「ウェルカムトロフィー」を受賞されています。

5C(Calm : 静寂 Charm : 魅力Character : 個性Cuisine : 食事 Courtesy : もてなし)で表される基準による厳格な審査をクリアしたホテルとレストランのみが加盟を認められてきました。

ルレ・エ・シャトーとは
1954年にフランスで発足された、一流のホテル、レストランで構成される世界的な非営利会員組織。
加盟には厳格な審査があり、ホスピタリティの高さを象徴する協会として知られる。
日本でわずか11軒しかない。
チェックイン
山代温泉街から続く細い坂道の先に静かに佇む湯宿。緑のアプローチを抜けた先のエントランスは珪藻土たたき仕上げの土間造り。揺れる木漏れ日、そよぐ風。エントランスからテラス、そして山庭へと散歩道が続きます。

こちらの土は能登半島で日本一採取量が多い「珪藻土」のようです。
ロビーは全て珪藻土で、叩き仕上げの土間づくりとなっていて、土間の一角には山庭に落葉していた本物の葉が埋め込まれていたりしました。

こちらで、ウェルカムドリンクをいただきました。しぼりたてのりんごジュースです。
口をつける前から、りんごのフレッシュな匂いがただよってきました。

山庭
樹齢300年を超える赤松のご神木を中心に、山桜、しだれ桜、山法師、楓、紅葉、藪椿、木蓮など大きな樹木がたくさんあり、季節の移り変わりを愛でることができます。

散歩道にはヒノキ苔、杉苔、山苔などがありました。永楽和全ゆかりの茶室「永楽庵」も。


薬王院温泉寺の伝統を受け継いだ スパ円庭施術院

お宿は白川信仰の聖地であった薬師山の高台に建っています。薬王院温泉寺の本堂があり僧たちが温泉や薬の調合で人々を癒していたそうです。

その伝統を受け継ぎ、施設内には方林というお寺のような空間やスパ円庭施術院などもあります。


大浴場

全てのお部屋に露天風呂がついているのですが、大浴場もありました。
色々なお水がおいてあり、温泉後の水分補給も楽しめました。

九谷焼など石川県の名産やオリジナルのアメニティもある ショップ

こちらのショップを見ているだけでも、石川県の伝統的なものがわかります。九谷焼はとても可愛らしくて、見ていてあきないですね。
オリジナルのアメニティも販売されていました。
図書室
館内には図書室もあり、ホカンスにぴったりです。

レセプションに伝えて、書籍などを自由に持ちだしすることもできるようです。
他にもロビーの近くに、このようにたくさんの雑誌がおいておりました。

原研哉氏の作品
2階のお食事処やスパがあるところに、2006年に金沢21世紀美術館に展示された、グラフィックデザイナー原研哉氏の作品が飾られていました。
一滴一滴落ちて回転して吸い込まれていく、水の粒。太陽を中心に惑星が回っているような、ブラックホールに吸い込まれて行くような・・・そのような感じがしました。

露天風呂付き 洋室
3千坪の広大な敷地に、客室は全16室。全てのお部屋に源泉露天風呂が付いています。
全ての客室が自然の山庭に面して開放感があるしつらえになっているようです。
・露天風呂付き 和室 65㎡~70㎡
・露天風呂付き 洋室 60㎡
・露天風呂付き 和洋室 85㎡〜90㎡
・特別室 若紫 110㎡
というお部屋があります。
和室が苦手なので、今回は 露天風呂付き 洋室 にしました。

ロビーからお部屋に進んでいきます。ちょうど梅雨時期で雨が降ったりやんだりしていましたが、雨音が心地よかったです。
露天風呂付き 洋室

こちらのお部屋の名前は、全て和の色からつけられているそうです。

洋室のお部屋は、ドアを開けてから、内階段を上がっていきます。ちょっと上りますので、お気をつけください。

大きなガラス戸から陽の光が差し込む明るいお部屋です。
ゆったりとしたソファーもあります。


山庭に面しているお部屋です。
天気が良ければ、こちらの月見台から星や月を愛でることができます。

月見台(テラス)は広々としており、蚊取り線香を焚きながら(やはり山の中で虫が出ますが、思っていたより大丈夫でした)、こちらで雨音を聞きながら、森を眺めてゆっくりすることができました。

館内は浴衣もOK、パジャマも用意してくださいますが館内はNGです。
美肌の湯 お部屋の露天風呂

山代温泉は、約1300年前、高僧・行基が霊峰白山へ修行に向かう途中、涌き出る温泉で傷を癒すカラスを発見したのが始まりとされる歴史ある古湯。

北大路魯山人や与謝野晶子が愛した伝統と文化の香りのする名湯です。
柔らかで滑らかな肌触りで「美肌の湯」とも言われています。

ちなみにお手洗いもシンプルでおしゃれ。
オリジナルの薬師山のアメニティ

宿のアメニティーも東京大学大学院化学生命工学博士・崔 允聖氏とともに研究された山代温泉のミネラルと数多くの厳選された天然成分でつくられた「薬師山」の精神が生きた無何有ならではの製品が用意されていました。

お部屋の水屋

オリジナルの珈琲、お茶やお菓子などがありました。

コップ類もたくさんありました。

まとめ
今回は、海外の方に大人気のお宿のご紹介をさせていただきました。
スモールラグジュアリーホテルのような雰囲気で、私は、大箱よりはこういったホテルの方がゆっくりさせていただけて、最近は好みです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は、お食事についてご紹介させていただきたいと思います。